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HubSpotをカスタマイズするには?拡張方法の違いについて徹底解説!

HubSpotは、マーケティング・営業・カスタマーサポートの機能を統合し、業務の効率化を支援する強力なプラットフォームです。しかし、企業ごとに異なる業務フローやデータ管理のニーズに完全に適応するには、標準機能だけでは不十分な場合があります。そこで活用したいのが、カスタマイズ機能です。

本記事では、HubSpotのカスタマイズ方法を徹底解説し、カスタムオブジェクト、外部ツールとの連携、拡張モジュールといった拡張方法の違いについてご紹介します。

HubSpotのカスタマイズとは?

HubSpotは、マーケティング、セールス、カスタマーサービスの各機能を統合したプラットフォームです。HubSpotは標準機能でも強力な営業・マーケティング支援が可能ですが、企業ごとの業務フローやデータ管理のニーズに完全に適応するわけではありません。
例えば、以下のような課題が生じることがあります。

  • 独自のデータ項目を管理したい(例:契約情報や製品データをCRMに追加したい)
  • 外部システムとの連携が必要(例:SalesforceやERPとデータを同期させたい)
  • 標準のレポートやダッシュボードではカバーしきれない分析がしたい

これらの課題を解決するために、カスタムオブジェクトやデータ連携、拡張モジュールなどのHubSpotのカスタマイズ機能が求められます。カスタマイズを適切に行うことで、業務の効率化・自動化を推進し、より成果の出やすい仕組みを構築できます。

カスタムオブジェクトとは?

カスタムオブジェクトとは、HubSpot CRMに標準搭載されているオブジェクト(コンタクト・会社・取引・チケット)以外の独自データを管理するための機能です。標準オブジェクトでは対応できない企業独自の情報を、CRM内で体系的に整理・活用できます。
例えば、契約情報、製品データ、イベント管理など、特定の業務プロセスに特化したデータを登録し、HubSpotの他の機能と統合して管理できます。

標準オブジェクトとカスタムオブジェクトの違い

HubSpotには、あらかじめ以下の標準オブジェクトが用意されています。

  • コンタクト(顧客・リードの情報)
  • 会社(法人単位での管理)
  • 取引(商談・案件管理)
  • チケット(カスタマーサポートの対応履歴)

カスタムオブジェクトは、これらと自由に関連付けることが可能です。例えば、「契約」オブジェクトを作成し、「会社」オブジェクトと紐づければ、各企業ごとの契約情報をCRMで一元管理できます。

カスタムオブジェクトの活用例

カスタムオブジェクトの活用例としては、以下のようなケースがあげられます。

1. 契約管理(SaaS企業のサブスクリプション契約情報)

SaaS企業では、顧客ごとに異なるサブスクリプション契約を管理する必要があります。標準の「取引」オブジェクトだけでは、契約期間や更新日、プランの種類などを細かく記録することが難しいため、カスタムオブジェクトを活用するとより効率的に管理できます。

2. 製品情報管理(ECサイトや製造業の製品データ)

ECサイトや製造業では、数多くの商品を取り扱うため、各製品の情報を正確に管理することが求められます。HubSpotの標準オブジェクトでは、個別の製品データを管理するのが難しいため、カスタムオブジェクトを活用するとスムーズな運用が可能になります。

3. イベント管理(ウェビナーやセミナーの参加者情報)

マーケティング施策の一環として、ウェビナーやセミナーを開催する企業は多くありますが、参加者の情報を管理し、イベント後のフォローアップを適切に行うことが重要です。HubSpotの標準オブジェクトだけでは、イベントごとの参加者リストを整理するのが難しいため、カスタムオブジェクトを活用すると便利です。

4. プロジェクト管理(クライアントごとの案件進捗)

BtoBビジネスでは、クライアントごとに異なるプロジェクトを管理するケースが多くあります。HubSpotの「取引」オブジェクトだけでは、プロジェクトの詳細な進捗管理やタスクの割り当てが難しいため、カスタムオブジェクトを活用すると、より柔軟な管理が可能になります。

このようにカスタムオブジェクトを活用することで、自社の業務プロセスに最適化したCRM環境を構築できます。

カスタムオブジェクトと拡張機能の違い

HubSpotをより効果的に活用するためには、「カスタムオブジェクト」と「拡張機能」の違いを理解し、それぞれの特性に応じて適切に使い分けることが重要です。

カスタムオブジェクトは、HubSpot内で独自のデータを管理するための機能で、CRMの標準オブジェクトでは対応できない情報を体系的に整理できます。
一方、拡張機能はHubSpotの既存の機能を補強し、外部アプリケーションとの連携を強化するためのツールです。カスタムオブジェクトがHubSpot内でデータを管理するのに対し、拡張機能は外部ツールとの統合に重点を置いています。HubSpotと外部ツールを接続し、情報をリアルタイムで同期する仕組みです。

HubSpot内でデータを完結させたい場合はカスタムオブジェクト、外部ツールとの統合が必要な場合はデータ連携を活用すると良いでしょう。

カスタムオブジェクト 拡張機能
目的 HubSpot CRM内に新しいデータ構造を作成 HubSpotと外部ツールを連携・統合
データの保存先 HubSpot CRM内 外部ツール(HubSpotには保存しない)
連携対象 HubSpotの標準オブジェクトと連携可能 外部アプリ(Salesforce、Slack、Zoomなど)
ワークフローの活用 可能(データの更新や自動化) 可能(外部アプリとのアクションを自動化)
利用可能プラン Enterpriseプラン限定 Professionalプラン以上

カスタムオブジェクトが向いているケース

カスタムオブジェクトは、HubSpot内で一元管理したい独自のデータを持つ場合に適しています。例えば、SaaS企業の契約情報や、製品ごとのメンテナンス履歴、イベント参加履歴などを管理する際に便利です。また、ワークフローやレポート機能と組み合わせることで、業務の自動化や詳細な分析も可能になります。

データ連携が適しているケース

データ連携は、HubSpot以外のツールとデータを統合する必要がある場合に適しています。例えば、SalesforceやERPとの同期、Googleスプレッドシートとの連携、マーケティングツールとの情報共有などが挙げられます。APIを活用すれば、HubSpotで管理しきれないデータも他のシステムと統合しながら活用できます。

尚、外部とのデータ連携については「HubSpotのCMSとCRM機能について他ツールとの違いを解説!」でも詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

拡張モジュールとは?

HubSpotのカスタマイズについて説明してきましたが、HubSpotには拡張モジュールも用意されています。

拡張モジュール(Custom Modules)とは、HubSpotのCMS(コンテンツ管理システム)で、自由にデザインや機能を追加できるカスタムコンポーネントです。標準のモジュールでは対応できない独自のレイアウトや動的コンテンツを作成し、ページの柔軟性を高めることができます。これにより、ノーコードでも簡単にサイトを編集できるHubSpotの特長を活かしながら、企業のブランドやマーケティング施策に最適なカスタマイズが可能になります。

標準モジュールは、HubSpotにあらかじめ用意されているテンプレート型のコンポーネントで、主にテキスト、画像、ボタン、フォームなどを簡単に配置するために使われます。一方、拡張モジュールは、HTML・CSS・JavaScriptを活用してカスタマイズできるため、より高度なデザインや機能の実装が可能です。例えば、データベースと連携して動的にコンテンツを変更したり、独自のアニメーションを追加したりすることができます。

HubSpot CMSでの活用例

拡張モジュールは、さまざまな場面で活用できます。例えば、マーケティングサイトではカスタムCTAボタンを作成し、ユーザーの行動を促すデザインに最適化できます。また、動的コンテンツを利用して、訪問者の属性や行動履歴に応じてパーソナライズされた情報を表示することも可能です。さらに、問い合わせフォームやアンケートを独自にデザインできるカスタムフォームを作成すれば、より直感的で使いやすいWebページを構築できます。

まとめ

HubSpotのカスタマイズ機能を活用することで、企業は自社の業務フローに最適化したCRM環境を構築し、より高度なデータ管理や自動化を実現できます。
どの機能を活用するかは、企業の目的や業務プロセスによって異なります。まずは自社の課題を明確にし、HubSpotの標準機能で対応できるのか、それともカスタマイズが必要なのかを判断することが重要です。適切なカスタマイズを行うことで、よりスムーズな業務運営と顧客満足度の向上を実現できるでしょう。HubSpotの持つ可能性を最大限に活用し、ビジネスの成長につなげていきましょう。

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