【中途入社】 リモートワーク下でのオンボーディングについて考える

カルチャー
2022.04.11
Lyzon編集部

私がLYZONに未経験の中途採用で入社し、ちょうど11か月が経ちました。
入社時期がコロナ禍真っ只中だったということもあり、社内でさえも入社直後から一緒に仕事をする方々の顔が見え辛く、正直戸惑いも多い1年となりました。
今後もリモートワークという労働形態は続いていくであろうことに加え、新年度に入り新しい仲間が増える時期でもありますので、中途入社の目線からリモートワーク下で入社するということや、受け入れる側の環境づくりについて考えてみます。

目次

    リモートワークに対する意識と実態の調査

    約1年前のデータではありますが、マイクロソフト社がリモートワークに関する調査と考察のレポートをリリースしました。世界各国で調査が進められる中、日本も対象国に含まれており、その結果にいくつか特徴があるようなので紹介します。

    • 生産性が高い(下がっている)と思っている人が多い
      日本の労働者の 63% が、生産性レベルは変わらないと回答(世界平均は 40%)
    • 仕事でより社会的な孤立感を感じている
      日本の労働者の 35% が、就業日に孤立感を味わっていると回答(世界平均は 27%)
    • より疲労とストレスを感じている
      就業日において、日本の労働者の 48% が疲労を感じ(世界平均は 39%)、45% がストレスを感じていると回答(世界平均は 42%)
    • 転職を検討する可能性が少し低い
      日本の労働者の 38% が、1年以内に転職を検討する可能性があると回答(世界平均は 41%)

    世界平均に比べ、日本の労働者は孤立感や疲労を感じている

    リモートワークによる生産性レベルの変化については可視化が難しいと思いますが、全体的に働き手の意識として孤立感や疲労感は増幅傾向にある様です。
    リモートワークに切り替わる以前から在籍している従業員と、まっさらの状態で入社して早々にリモートワークとなった新人では、取り巻く環境や原因が異なると思いますが、いずれの場合も心的負担は無視できず、それぞれの状況に合ったケアが必要かもしれません。

    入社してすぐのリモートワークによる困難と心構え

    冒頭でも少し触れましたが、私は異業種未経験でWebディレクターとして中途入社し、かつリモートワークも初でした。そのような背景で入社当初からリモートワークで勤務を開始した経験を元に、主に「大変だった!」「もっとこうしておけばよかった!」と思うことについてまとめてみます。

    入社直後からリモートワーク勤務の難しい点と感じたこと

    • 誰に何を聞けばいいかが分からない
    • 自分に期待されていることや現在地が見えにくい
    • 自分が出来る事や性格、考え等を分かってもらえていないという孤独感

    入社直後からリモートワークとなるとき少しでも意識すると良さそうなこと

    • 主にプロジェクトのメンバー等、出社の際に対面で話をできるタイミングがあれば必ずする
      (一度でも少しでも対面で話したことがあるか無いかでは、その後の業務において大きな差が生まれそうです。)
    • 周囲から状況が見えにくい分、自発的な発信が想像の倍大事

    やはり周囲との関係を十分に築けないまま日々の業務を進めていくことには、行き詰まったときの負荷が大きく感じます。毎日出社して仕事をする環境よりも、よりコミュニケーションに意識を向け、必要に応じてSOSも出せる様な関係作りが必要だと思いました。

    受け入れるための環境づくりも重要

    多くの人が少しでも早く仕事を覚えて役に立ちたい、成長したい等、前向きな気持ちで入社してくると思います。特に中途入社は経験や年齢、入社時期もバラバラであることが多く、誰かを頼りにくい状況も生まれやすいです。
    モチベーションを保ち、持てる力をしっかりと発揮できるために、やはり「リモートワーク×新人」が内包する課題を少しでも解消できる環境が重要です。

    オンボーディングという考え方

    オンボーディングとは、新しく入った従業員が業務やチームに馴染み、会社の一員として活躍できるようになるまでの一連の取り組みを指します。受入れ→定着化→戦力化といったプロセスを踏みます。新しく入った従業員の短期離職を避け、より短期間で力を発揮して活躍できるようになるために非常に重要なプロセスです。

    LYZONとしての取り組み

    ここでLYZONが新しい仲間を迎えるに当たり5つの観点で進めているオンボーディングプロジェクトを少し紹介します。

    1. 「準備」の壁:出社初日に向けた準備
      • IT周りの整備
      • 会社のルールを伝えるオリエンテーション・マニュアルの準備
      • ブラザーの決定
    2. 「人間関係」の壁:中長期的な関係構築のフォロー
      • チームメンバーとの交流
      • 自己紹介の機会を設ける
      • 歓迎会の実施により縦・横のつながりを作る
      • ブラザー制度によるフォローアップ
    3. 「期待値」の壁:期待値のすり合わせ
      • 新入社員の事前情報を配属先の上長に共有
      • 定期的な1on1MTGを実施
    4. 「学び」の壁:教育体制を整える
      • 出社日のフォローや業務ルールの共有
      • 業務上必要なスキル・知識の研修実施
      • Q&Aの蓄積と共有
    5. 「成果」の壁:目標設定とフィードバックの実施
      • 定期的なフィードバック面談の実施

    新卒、中途どちらも共通して、新しい環境に身を置く不安に加え、リモートワークならではの困難も多々あると思います。そんな中で、体制づくりはもちろんのこと、受け入れる側としても自分事と捉えて意識の面でも適切な対応を行い、新しい仲間がより力を発揮しやすい環境を作っていきたいと思っています。

    まとめ

    ある調査では、「上司をはじめとする周囲と、仕事に限らずプライベートな会話できる」方が成長や定着につながるという結果もあるそうです。
    ただ雑談を増やすだけではなく、例えば仕事に対する価値観やキャリア・ライフプラン等の方向性、今何が出来てどう成長していきたいかというビジョンを共有し、周囲と繋がり、信頼関係を築きながら業務に入れる環境が大事だと感じます。横に座って仕事をしているわけではない分、より受け入れる側と受け入れられる側双方の配慮と歩み寄りが大切かもしれません。